不在としてのセルフポートレイト

2021年

不在としてのセルフポートレイト
2021年/アルミニウム、UVプリント、木/1900×570×4mm/極寒芸術祭2021

人の輪郭のみの彫刻が木の枝に引っかかっている。
これは私自身のポートレイトをプリントした彫刻ではあるが、その中心部分はくり抜かれていて、輪郭しか残っていない。彫刻面の多くを占めるのは、匿名性を含むボイド(空白)である。
ポートレイトの輪郭の向こう側の風景が見え、風が通り抜ける。彫刻は私がその場に存在しないという現実、現在の世界的な状況そのものが反映されている。
私の抜け殻のようなその彫刻は可視と不可視、存在と非存在の境界を喚起し、曖昧にするささやかな行為である。