アーティスト ステイトメント
本間純の作品は、私たちの世界を形づくる「可視」と「不可視」の関係を探るものである。東京近郊の住宅地で育った彼は、急速な都市開発によって変化し続ける風景の中で、消え去ったものの痕跡や記憶の残像を感じながら育った。そうした経験が現在の制作の出発点となっている。
本間は、世界は目に見える形だけでなく、時間や記憶、歴史、社会構造といった直接表象されにくい「不可視の要素」によって成り立っていると考えている。彫刻やインスタレーション、写真を用いた作品を通して、これらの不可視の要素を知覚できる状況をつくり出すことを試みている。
1990年代後半以降、本間はこうした関心を複数のシリーズとして展開してきた。たとえば Uncertain Stories では、異なる時代や文化的背景をもつ日常的なオブジェクトや断片を彫刻的な構造の中で組み合わせることで、複数の時間が交差する状況を生み出している。また現在進行中の Now and Things (Time Line)では、風景のイメージや身近な物が徐々に消失あるいは変容していくプロセスを通して、現在の経験と記憶、歴史的な物語との不安定な関係を示唆している。
これらのシリーズを通して本間の制作は、時間や歴史、知覚といった不可視の力が、私たちの日常の風景やイメージの成立にどのように関わっているのかを問い直している。
本間 純
1967年 東京生まれ
1990年 多摩美術大学 立体デザイン科 卒業
1990–1992年 多摩美術大学 彫刻科 研究生
受賞・助成
2019年 文化庁新進芸術家海外研修制度 助成 / ベルリン・ドイツ
2015年 台湾・台南市 国立成功大学 パブリックアートコンペ 実施案 一等
2011年 台湾・宜蘭市 国立宜蘭大学 パブリックアートコンペ 実施案 一等
2000年 第一回 大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2000 / 津南町 作品公募 一等
アーティスト・イン・レジデンス
2025年 国際アーティスト・イン・レジデンス・プログラム / No.97 West District International Art Community(泉州・中国)
2024年 A4 レジデンシー・プログラム / A4 Art Center(成都・中国)
2019年 MAMMA プロジェクト / セジョン・アートセンター(世宗市・韓国)
2019年 GlogauAIR(ベルリン・ドイツ)
2018年 Srishti Institute of Art, Design and Technology(インタリム・プログラム)/ バンガロール・インド(助成:ジャパン・ファウンデーション)
2012年 FLYOVER YOKOHAMA–MANILA / 98B コラボレイトリー(マニラ・フィリピン)(助成:ポーラ・ファウンデーション、ジャパン・ファウンデーション)
個展
2025年 Uncertain Stories / eitoeiko(東京)、Time and Box / No.97 West District International Art Community(泉州・中国)
2023年 Now and Things / eitoeiko(東京)
2021年 I saw a landscape / bononkyoto(KYOTOGRAPHIE KG+)(京都)
2020年 I saw a landscape / void+(東京)
2019年 侵食の風景 / GlogauAIR ショーケース・ギャラリー(ベルリン・ドイツ)
2018年 侵食の肖像―バンガロール / ランゴール・メトロ・アートセンター(バンガロール・インド)
2015年 無名の国 / TRAUMARIS/SPACE(東京)
2010年 Breeze―旅 / 横浜市庁舎 市民ホール(神奈川)
2009年 そして川は流れる / 黄金町エリアマネジメントセンター(神奈川)
2007年 Breeze―4本の旗 / ギャラリーキャプション(岐阜)
2006年 Breeze―ステートメント / ギャラリーキャプション(岐阜)
2005年 Horizon / ギャラリー現(東京)
2004年 Around / ラ・ガルリ・デ・ナカムラ(東京)
2003年 Midori(新世代への視点/テン・エレメンツ)/ ギャラリー現(東京)
2001年 Chattering / ギャラリー現(東京)、Welcome in / デスペラード(東京)
1999年 Pass / ギャラリー現(東京)
1998年 There / ギャラリー現(東京)
1997年 Rope / ギャラリー現(東京)
1996年 Pin / ギャラリー現(東京)
主なグループ展
2026年 ふれる/ゆれる/つくる国際交流プログラム 派遣報告展 / 高架下スタジオSite-Aギャラリー(横浜・神奈川)
2024年 Community Memories / No.97 West District(泉州・中国)、RE CREATE / CPI(成都・中国)、黄金町バザール 2024(神奈川)、VOID+STOCK Exhibition Part 2 / void+(東京)
2023年 極寒芸術祭(弟子屈町・北海道)
2022年 極寒芸術祭(弟子屈町・北海道)
2021年 桜を見る会 / eitoeiko(東京)、極寒芸術祭(弟子屈町・北海道)
2020年 みえないものからみえるもの / 天王洲セントラルタワー・アートホール(東京)
2019年 チェンナイ・フォト・ビエンナーレ 2019(チェンナイ・インド)
2017年 空気の正体 / 川口市立アートギャラリー・アトリア(埼玉)、ヤングアート長岡(新潟)
2016年 弟子屈極寒芸術祭(弟子屈町・北海道)
2014年 越後妻有雪アートプロジェクト / まつだい農舞台(新潟)
2013年 瀬戸内国際芸術祭 2013(香川・岡山)
2012年 大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ 2012(新潟)
2011年 AOBA+ART(横浜・神奈川)、黄金町バザール 2011(神奈川)
2010年 越後妻有雪アートプロジェクト(新潟)
2009年 大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ 2009(新潟)、水都大阪 2009(大阪)、TAMAVIVANT 2009 / 多摩美術大学(東京)
2008年 黄金町バザール 2008(神奈川)、AOBA+ART(横浜・神奈川)
2007年 Happy Hours / Zaim Underground(神奈川)
2006年 大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ 2006(新潟)
2004年 MUSELAND 2004 / 北海道立近代美術館(北海道)
2003年 大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ 2003(新潟)
2001年 青葉トリエンナーレ 2001(神奈川)
2000年 大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ 2000(新潟)
1999年 ジャパンアートスカラシップ マケット展 / スパイラルホール(東京)
1996年 Morphe ’96(青山・東京)
1992年 Encountering the others(ハンミュンデン・ドイツ)