無名の国
2015年
1.雨 – 川内村・福島 / 2015年/300×200mm / 写真、コラージュした写真 / TRAUMARIS SPACE
福島、石巻、瀬戸内海の島々。そこで撮影したアノニマスな風景に同一写真を重ねた極薄の写真彫刻。見えないレイヤーとして浮かび上がってくるのは、雨や雪などの軌跡。雨や雪はいつどこにでも起き得る自然現象である。その風景は太古の時代、あるいは数日前に確実に存在した、またこれからも存在するかもしれないという異なった時間軸を暗示している。
2.
雪 – 双葉町・福島/ 2015年/300×200mm / 写真、コラージュした写真 / TRAUMARIS SPACE
3.雨 – 本島・香川 / 2015年/300×200mm / 写真、コラージュした写真 / TRAUMARIS SPACE
4.雪 – 犬島・岡山/ 2015年/300×200mm / 写真、コラージュした写真 / TRAUMARIS SPACE
無名の国 / 2015年
石、紙にインクジェットプリント/ 1600×1000×h.100 mm/「無名の国」 / TRAUMARISU SPACE
/東京
それ自体が時間を包含するような石を撮影した写真をその実物の表面にコラージュした写真彫刻のシリーズ。河原から集められた石の中に二重のイメージとして現れるのは、もうひとつの見えない石のレイヤー。石の表面にコラージュされた写真はそのオブジェクト自体のある時間を切りとったものである。それは一見何も変わらないように見える。この作品は過去、現在、未来という異なる不可視な時間軸を同時に表出させるための写真彫刻である。