浸食の肖像

2018年

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浸食の肖像 / 2018年 / ターポリンにインクジェットプリント もしくは アルミニウムにUV プリント、風景 / 2500×2500mm, 480×880×30mm / 弟子屈極寒芸術祭2018

個人のアイデンティティとそれが形成された風景の関係性が内包する不可視性に焦点をあてたプロジェクト。インタビューを元に撮影したポートレイトを森、家、室内など様々な場所を背景に設置する。顔や身体の部分がくり抜かれ、全体に無数の穴を開けたポートレイトは、背景を透過し、同化する。風景に挿入され匿名のレイヤーとしての肖像。それは存在と不在、個人と風景、また風景と社会や時間との不可視な関係性を暗示している。
それは災害や戦争による帰宅困難、難民問題、再開発で消えていく風景など、現在の社会が抱える個人と風景に関わる様々な現実への言及でもある。