プリーズ ー 春

2006年

プリーズ ー 春/ 2006年/ モーター、鉄、 布にインクジェットプリント

春の風が苦手だ。何か始まりそうな期待感と何も始まらない焦燥感が入り交じり、花粉症でなくても鼻がむずむず、足をふわふわと浮かせる。宮沢賢治の「春と修羅」に、「まことのことばは失はれ 雲はちぎれて空をとぶ ああかがやきの四月の底を はぎしり燃えて行きする おれはひとりの修羅なのだ」とある。もしかしたら、賢治

がこの詩をよんだ時も、あの春の風が吹いていたのかもしれない。