ピラー

2025

ピラー/2025

D.1000×W.600×H.3590mm/木、時計/No. 97 West District International Art Community

「不可視性」をテーマとする私の作品の多くは背景に同化する、隠れる、欠落するなど、作品そのものが不可視な部分を孕む構造を持っている。本作品シリーズにおいても獅子の石彫刻、時計、日用雑貨などのobjectが箱(或いは床)の面で隔てられ、見えない部分も含み存在している。つまり可視と不可視の領域で構成されているこの世界の構造を彫刻それ自体が体現しているのだ。
初めてこの村に滞在した私にとって、ここについて見えているものはほんの僅かであった。それでも私は視覚で捉えられるものを頼りに、この場所においての見えない部分ー生活の営みの記憶、共有されていた文化、流れてきた時間などーと繋がる触媒としての彫刻を作りたいと考えた。
そのため、作品で使用するobjectは地域の伝統的産業や文化、風習が表象されているものや、住民の日常品を中心に集積している。