100年前

2009年

100年前/2009
油土、スピーカー、音源
11000×10000×H.8000mm / oil clay , speekers,sound sources(old folk songs、life sound、voice of animal etc)
Echigo-Tsumari Art Triennial 2009

秋山郷の深い谷間の集落、結東。現在は温泉宿である旧小学校の体育館には、学校当時のままの木の梁でできた天井が残っている。そこに解体された家から出た古材を再構成して、天井全体を辺境の集落に見立て、色とりどりの油土でできた彫刻を置いた。彫刻のモチーフは越後妻有をはじめ世界各国の民家。そして天井からは様ざまな生活音や唄われなくなった民謡がふりそそぎ、モスクに響くコーランなどが家々のざわめきのように語りかける。実際に辺境の集落にあるこの場所から100 年の時空を覗き見ることができるような、 また向こうからも覗き見られているような「窓」にしたかったのだ。
時折、グラウンドのスピーカーから狼の遠吠えが響く。100 年前にはいたかもしれない狼の遠吠えは、消え去った者の存在を主張し、100 年前へ導くスイッチとなった。

 

Photo – Takenori Miyamoto + Hiromi Seno